バックアップの必要性と手段

データが消えてしまうとそのダメージはとても大きなものがあります。

時々、年に数回ぐらいでしょうか、学生にそういった話をする必要性があるので、基本的なところをまとめておくことにしました。

ここではバックアップの必要性や根拠の理解と対策についてまとめます。

バックアップの必要性

私が大学院生だったとき、隣の研究室の大学院生から相談を受けたことを今でもお思い出します。それは修論の締切前日のことでした。Wordで書いていた修論が飛んでしまった、というものでした。その後も、何度も同様の事件?を見聞きしてきました。近年ではOSやアプリケーションの動作も安定し、また異常時の施策も改善されています。とはいえ、こういった事件が完全になくなることはないでしょう。

記憶装置の寿命という面でいうと、バスタブ曲線のことを理解する必要があると思います。例えば厚生労働省のページにある説明が参考になります。

いわゆる初期不良を除けば、機器は一定期間きちんと動作しますが、どこかで故障します。皆さんのデータはPCの二次記憶装置(SSDやHDD)に保存されていることが多いと考えられますが、そのSSDやHDDもいずれは故障するということです。やっかいなことに、数年単位で無事に動作しますので、すっかり壊れるということが意識から失われてから壊れることになるわけです。

機器の故障以外にも操作・設定ミスやアプリケーションの異常動作で失われることもあります。

データには復元可能なものとそうでないものとがあります。復元可能なものでも、その復元(やり直し)には大きなコストがかかります。ましてや復元不可能な旅の思い出の写真といったものは失われたらそれまでです。

バックアップの手順

ここでは個人レベルで現実的な範囲でのバックアップを考えます。いろいろと考え方はあると思いますので、あくまでも一例とお考えください。もちろん、ここに書いてある方法でも100%安全になるのではありません。

まず、何から守るのか、という視点が重要です。ここでは単純な機器故障と、操作ミスなどによる削除にも一定の安全性の達成を目指すものとします。

この視点から、ここでは大まかに3重にすることを考えます。

  • メインストレージ
  • 同期:クラウド or NAS
  • 追記:ポータブルHDDなど

メインストレージはPCの二次記憶装置です。ここにデータは常にあって、編集されるとします。

これに対し、クラウドやNASに同期をかけることにします。クラウドとしてはGdriveやOnedrive等が考えられます。絶対はないにしろ、これらのクラウドサービスはとびきりの技術者集団がコストをかけて保守しています。これ以上に安全にすることは、個人レベルでは到底できないでしょう。デスクトップPCとノートPCで同期をとっていれば、これだけで更に二重化できます。

ですから、無償の容量で足りなければ、ここはコストをかけるべきと考えます。最近ではクラウドサービスの容量単価はとても下がっています。

同期だと操作ミスで削除した場合などには対処できません(履歴をたどれるようなサービスも増えていますので、そうするとこの先は不要かもしれません)。そこで、ここでは更に別デバイスに追記型でコピーをとることを考えます。追記型ならば、削除しても前のファイルが残るので、これで防ぐことができます。FreeFileSyncのようなツールを使えば、こういった操作を自動化・半自動化することも用意です。

データが飛んでしまったときには

SSD, HDD, USBメモリーなどの記憶装置で何かトラブルがあったときに、まず最初にするべきことは、「なにもしない」ということです。

いずれの記憶装置に対してもOSは効率的にデータ管理をしています。修正や追記をすると、消えてしまったファイルのあった場所を上書きしてしまうかもしれませんが、なにもしなければ、単純にリンクだけが排除され、実態は残っている可能性があります。

よくわからないならば、とりあえず電源を切るなどし(ものによっては電源を切る操作にも問題があるかもしれませんが)、専門家に相談しましょう。

また、Microsoft社のオフィスツールなど(ここでは仮にWord)では、編集中は別にファイルを保存していることがあります。作業ファイルなどと呼ばれるものです。これが残っていれば、そこから復元することができるかもしれません。最近ではWord自体にそこからの復元機能がしっかりと備わっていますが、絶対ということはないので、作業ファイルを別媒体にコピーしておくことも、有効性の高い措置です(同じ媒体に保存してしまうと、上書きのリスクがあります)。

情報管理という視点

バックアップを複数箇所に持つことは、ファイル削除などに対する防衛策としては有効です。しかしデータが散らばるので、情報漏洩などに対する面ではリスクが増加します。

例えば、クラウドサービスにデータを置くことは、サービス提供企業にデータがのぞき見られることは当然、危惧せざるを得ません。また、システムの異常でデータが公開されてしまう、といった事件も希にですが発生しています。

これに対する対策としては暗号化が考えられます。暗号化は基本的にはデータ自体は見えてしまっても、解読はできないようにすることができます。

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